空き家をそのまま放置するとどうなる?固定資産税・劣化・相続トラブルのリスクを解説

こんにちは。
相続と空き家に特化した不動産屋、ハックベリーズ不動産代表の榎本です。

「すぐに売る気はないけど、とりあえずそのままにしておこうかと思って…」

相続した実家をどうするか、なかなか決断できないうちに時間だけが過ぎていく。そういうご状況の方は少なくありません。

ただ、空き家は「何もしないでいる」ことで、じわじわとコストとリスクが積み上がっていきます。この記事では、放置した場合に実際に起こりうることを、正直にお伝えします。

特に相続した実家や空き家の場合、「今は使う予定がないから」とそのままにしているケースも多く見られます。空き家を放置した場合にどのようなリスクがあるのか、あらかじめ知っておくことが重要です。

何もしなくてもコストはかかり続ける

空き家になってからも、固定資産税・都市計画税は毎年かかり続けます。誰も住んでいなくても、所有している限りは納税義務があります。

さらに、維持管理にも費用がかかります。定期的な見回り、草刈り、水道の凍結防止、害虫対策など、管理を業者に依頼すると年間数万〜数十万円かかることもあります。

「維持費が惜しいから管理しない」という選択をとると、今度は建物の劣化が急速に進んだり、草木の越境などで近隣から苦情がくるというジレンマがあります。

「特定空家」に指定されると固定資産税が最大6倍になることも

2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家特措法)」により、適切に管理されていない空き家は「特定空家」に指定される可能性があります。

通常、土地に住宅が建っていると「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が軽減されています(小規模住宅用地では6分の1、一般住宅用地では3分の1)。ところが、特定空家に指定されて勧告を受けると、この特例が適用されなくなり、固定資産税が大幅に増加することがあります。

毎年数万円程度だった固定資産税が数十万円になるケースもあり、放置のコストが一気に跳ね上がる可能性があります。

2023年の法改正で「管理不全空家」という区分も新設

2023年12月の改正空き家特措法の施行により、特定空家に至る前の段階として「管理不全空家」という区分が新たに設けられました。

管理不全空家に指定・勧告された場合も住宅用地の特例が外れる場合があります。

放置が長期化するほど、指定リスクが高まります。

建物の劣化は思っているより速い

人が住まなくなった建物は、想像以上のスピードで傷んでいきます。換気がされないことで湿気がこもり、カビや木材の腐食が進みます。害虫(シロアリ・ゴキブリ・ネズミなど)が入り込み、建物内部をさらに傷める原因になることもあります。

5年・10年と放置した結果、「空き家になってすぐだったら、もう少し高く売れたのに」という状況になることは珍しくありません。売却を検討するなら、建物の状態が比較的良い早い段階で動く方が、結果として手残りが多くなるケースが多いです。

近隣トラブルや行政への対応が必要になることも

空き家が放置されると、近隣への影響が出ることがあります。雑草が伸びて隣地へ越境する、外壁や屋根の一部が落下して隣の家や通行人に被害を与える、不審者が侵入するといったケースは実際に起きています。

こうしたトラブルが発生した場合、所有者として責任を問われる可能性があります。「知らなかった」「遠くに住んでいて管理できなかった」という事情が、法的な責任を自動的に免除するわけではありません。

相続物件の場合、相続人が増えてしまうことがある

相続した空き家をそのままにしている場合、「相続人が増えてしまう」という問題が起きることがあります。たとえば相続人の一人が亡くなると、その方の相続がさらに発生します。これを「数次相続」と呼びます。

数次相続が起きると相続人の人数が増え、連絡が取れない相続人が出てきたり、意見がまとまらず売却の判断ができなくなったりすることがあります。実際の不動産売却の現場でも、「売りたいのに相続人全員の同意が取れず動けない」というケースは珍しくありません。

時間が経つほど権利関係は複雑になりやすいため、空き家をどうするかは早めに方向性を決めておくことが重要です。

将来の相続人が困るケースもある

空き家がご自身の名義である場合でも、長期間そのままにしていると、将来の相続人が対応に困るケースがあります。建物が老朽化して解体費用が大きくなっていたり、権利関係が整理されていなかったりすると、相続した家族が売却や処分に苦労することがあります。

「もう使う予定がない空き家」であれば、元気なうちに売却や整理をしておくことで、将来の相続人の負担を減らすことにつながる場合もあります。

「とりあえず放置」を避けるための選択肢

空き家をそのままにしておくと様々なリスクがありますが、必ずしもすぐに売却しなければならないわけではありません。「今すぐ売る気はないが、放置は避けたい」という場合、いくつかの選択肢があります。

賃貸に出す方法は、家賃収入を得ながら建物を維持できるという点でメリットがあります。ただし賃借人が入ると空き家特例(3,000万円控除)が使えなくなるなど、将来の売却に影響する点もあります。

売却については「今は売らない」と決めているとしても、まず査定だけ受けてみると、現在の価格感や売却にかかる期間の目安が把握できます。「いつでも動けるよう準備だけしておく」という状態にしておくだけでも、判断がしやすくなります。

まとめ

空き家を放置することは「何もしない」ではなく、「コストとリスクを積み上げ続ける」選択です。固定資産税・管理費・建物の劣化・近隣トラブルのリスク、そして将来の売却価格への影響まで、時間が経つほど状況は難しくなっていく傾向があります。

「どうするか決められない」という状態であれば、まず現状のままで結構ですので、お気軽にご相談ください。

ご相談いただくことで、空き家の状態や売却の可能性を整理することができます。後になって、「あの時知っていれば!」「あの時対処していれば!」と後悔する方も少なくありません。相続した実家や空き家について「今はどうするべきか」を知るだけでも、今後の判断がしやすくなります。

※本記事は2026年3月時点の情報をもとに作成しています。市況・法律・税制は変更されることがあります。具体的なご判断は、不動産会社や専門家にご相談ください。

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